2012年01月15日

「再現できない実験結果」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Irreproducible Results" の日本語訳である。



再現できない実験結果  Irreproducible Results

科学的手法(人間がものごとを知る方法)は、その誕生から今日までの400年と比べて、今後の50年でより大きく変化すると私は断言する。科学的手法の新しい進化の一つは、過去10年のうちに出現し始めている。

現在の科学的手法において重要で規範的な概念とは、実験は誰か別の人により再現可能でなければならないということである。これによって客観性、すなわち自分で自分をごまかしていないということを保証する。

2010年に雑誌ニューヨーカーに掲載された、ジョナ・レーラーによるすばらしい記事 The Truth wears Off, (pdf) (真実は減耗する)では、実際に再現された実験はごくわずかしかないと述べている。そのわずかな再実験でも同じ結果を示すものはほとんどない。とくに生物科学においてはそうである。

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2012年01月04日

「公共が失うもの」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "What the Public Commons Is Missing" の日本語訳である。



公共が失うもの  What the Public Commons Is Missing

アイデアや創作の自然な居場所は、共有地すなわちパブリックドメインである。私たちは、アイデアや芸術や発明の創作者に対して、その創作物を共有地の外に置いて一時的に独占権を与えるという工夫をして、より多くの新しいものを作ることを奨励している。それは良いことだ。しばらくの間、米国におけるその一時的期間は、著作権については作品が創作されてから58年(訳注:正確には56年)、特許については17年であった。

不幸なことに、創作者は法人になって、彼らは法律改正のロビー活動をしてきた(さらに国会議員選挙で経済的な支援をした)。この法律改正により、それまでは「一時的」だった期間が、著作権については無期限にまで延長された。(訳注:正確には公表後95年)

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2011年12月21日

「過激な楽観主義」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Radical Optimism" の日本語訳である。



過激な楽観主義  Radical Optimism

私は今の世の中で最も楽観的な部類の人間である。世界はいろいろな点で日々良くなりつつあると本気で思っている。しかし、昨夜(訳注:2011年3月22日)、私よりもさらに激しく楽観的な人に会った。うれしいことだ。私はまだ成長する余地がある!

ロングナウ財団の長期思考に関するセミナーで、マット・リドレーが "Deep Optimism"(強度な楽観主義)と題して講演した。リドレーは最近の著書 "The Rational Optimist"(邦訳 『繁栄――明日を切り拓くための人類10万年史』)で、人間の文化は言語により形成されたもの(これが社会通念だ)ではなく、アイデアの交配により形成されたと主張している。これは有益な理論ではあるが、まだ驚くほどではない。それよりもずっと刺激的で強力なことがある。リドレーはさらに大胆な主張をしている。進歩は本物であり、永続的で広範囲に波及し、しばらくの間はとどまることはないという。言い換えれば、文明全体はこれまでに、そして現在も、真の成長を遂げている。それは文明のいろいろな側面にかかわり、しかも特権階級だけでなく大多数の人にとっての成長である。さらに言えば、この善事には止まる気配がない。

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2011年11月22日

「終わりのないアップグレードの技を磨く」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "The Art of Endless Upgrades" の日本語訳である。



終わりのないアップグレードの技を磨く  The Art of Endless Upgrades

私たちが結婚して今の家に最初に入居したとき、建物にコーキング(水漏れ防止)をする必要があった。チューブに20年保証と自慢げに書いてあるシリコーンコーキング材を見つけた。すごい、と思った。もう二度とこの作業をしなくて良いはずだ。

20年後、これはどうなってるんだ? コーキングはボロボロになり、傷んで、役に立たなくなりつつある。あのとき20年は永遠だと思っていたが、そうではないことを今にして実感する。私は60歳近い年齢になって、これまでの人生で永続的な物が衰退することを理解している。驚くべきことに、アスファルトは永久に持続するものではない。鉄も、そして石も、永久ではない。思いつく中で最も恒久的なもの、すなわち私たちの足下にある地球は、60年の間に目に見えて動いている。我が家が建っている丘は、ゆっくりと滑り落ちている。百年経つと木の根が基礎を破壊する。何かを千年持続させようとすれば、それはほとんど達成不可能だということがすぐにわかる。今までに作ったものがエントロピーによって日々壊れていくのに対抗するためには、秩序とエネルギーを常に作用させ続ける必要がある。

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2011年10月26日

「検索にお金を払うとしたら?」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Would You Pay For Search?" の日本語訳である。



検索にお金を払うとしたら?  Would You Pay For Search?

もしも検索が無料ではないとすれば、あなたはいくら払うだろうか? どこか別の世界に、あるいは未来のある時点にいるものとして、検索が無料ではないと考えてみよう。グーグル、ビング、その他何でも利用料金を支払う必要がある。いくらであれば払っても良いと思うか?

私は、年間500ドルまでなら払う。検索は私にとってそれほど重要なものだ。あなたはどうだろうか?

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2011年09月30日

「不可能なことが実現する理由」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Why the Impossible Happens More Often" の日本語訳である。



不可能なことが実現する理由  Why the Impossible Happens More Often

不可能と思っていたことが実は可能なのだと自分に言い聞かせる場面が多くなった。過去何十年かの間には、今まで不可能と思いこんでいた発想が、優れた実用的なアイデアだと判明することが何度もあった。たとえば、イーベイというオンラインのフリーマーケット(蚤の市)が最初に出現したとき、私はそれに懐疑的だった。車を売ろうとする未知の他人にお金を払う? 今まで人間の性質として教えられてきたことから考えれば、これはうまくいくはずがない。でも今では、未知の人による自動車販売は、大成功を収めたイーベイ社の主要な利益の源になっている。

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2011年09月11日

「巻戻し可能なメディア」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Scroll Back Media" の日本語訳である。



巻戻し可能なメディア  Scroll Back Media

誰かが演説をしているときには、注意深く聞く必要がある。なぜならば、言葉は口に出ると同時に消えていくからである。録音技術が出現する以前は、聞き逃したことを聞くためのバックアップも巻戻しもなかった。

口頭での情報伝達から書面による伝達へ、という大きな歴史的転換のおかげで、情報の受け手は、巻物の最初へ戻る、すなわちもう一度読むという可能性を得た。

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2011年08月21日

「プロトピア」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Protopia" の日本語訳である。



プロトピア  Protopia

ユートピアというものは、すべて作り話だ。そこには必然的に欠陥があって、決して現実になることはない。私はユートピアの存在を信じない。とくに技術に関するものについては信じない。(これは、私が技術に関するユートピア論者だという批評家の非難を阻止するものではない。)私のユートピアに対する嫌悪感はますます深くなっている。ぜひそこに住んでみたいと思うようなユートピアには、まだ出会ったことがない。

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posted by 七左衛門 at 11:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳       この記事を livedoor クリップに登録 この記事の livedoor クリップ数



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