2009年04月22日

「柔軟性を拡大する」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Expanding Flexibility" の日本語訳である。



柔軟性を拡大する  Expanding Flexibility

生命がなければ柔軟性は存在しない。生命がない原始時代の世界は硬直している。

この惑星から生命そのものが消滅したとすれば ――"The World Without Us"(邦訳「人類が消えた世界」)という本のように人類だけではなく―― すべての生命が突然消えてしまったら、人間の創作物の残骸は硬直し、そして崩壊する。何年もの間、私たちの都市の地盤はしっかりとしているだろう。高層ビルは空に届き、郊外の住宅地は見渡す限り広がる。だが間もなく、まず最初に、酸素が豊富な生物世界の大気によって、金属やプラスチック、そして有機物が腐食し始める。生命体にしても人工物にしても、柔軟性、適応性、屈曲性、密閉性があるものは何でも、そのまま放置されると硬くなる材料でできている。ゴムは空気中でもろくなる。封止剤は腐朽して漏れるようになる。鉄は錆びて膨張する。たいていの金属は酸化して剥落する。金などのわずかな物質だけが、時の経過によっても変化せずに残る。しかしこのような金属はごく限られた柔軟性しか持たない。

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posted by 七左衛門 at 21:40 | 翻訳    

2009年04月15日

「技術を衰退させるべき理由」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Reasons to Diminish Technology" の日本語訳である。



技術を衰退させるべき理由  Reasons to Diminish Technology

私は、人間の道義的責任として、技術の能力や存在感を増大させるべきだと確信している。しかし、控え目に言うと、あらゆる人がそう考えるわけではない。多くの人はその逆、すなわち技術の能力や存在感を減少させる道義的責任があると考えている。私はこの問題に関する論拠を収集して、十分に理解しておきたいと思っている。そしてこの議論にできるだけうまく立ち向かえるようにするのだ。技術を衰退させるべきだという正当な理由だけでなく、根拠のない理由にも興味がある。テクニウム(文明としての技術)に関するみんなの考え方、正しくないかもしれないがみんなをそう思わせる理由だ。とりあえずのまとめを以下に示しておく。私が気づいていない理由が他にあれば、コメントで教えてほしい。

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posted by 七左衛門 at 21:55 | 翻訳    

2009年04月08日

「知識の相関図」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Maps of Knowledge" の日本語訳である。



知識の相関図  Maps of Knowledge

現代科学の諸分野の相関図は、従来は学術論文相互間の引用状況に基づいて作成されていた。引用というのは、同じ研究主題あるいは関連した主題に関する以前の論文を参照する補足情報である。引用は投稿論文のリンク(つながり)と等価である。それによって出典の情報源に到達できる。引用の数はこのようなリンクを主題ごとに分類した集計結果を示している。相関図作成ソフトウェアを使って、リンクの状況を表示することができる。その一例を示す。

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posted by 七左衛門 at 21:51 | 翻訳