2009年06月18日

「進歩の証拠」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "The Evidence of Progress" の日本語訳である。



進歩の証拠  The Evidence of Progress

分別のある人なら、この地球上に山ほどある害悪を無視することはできないだろう。環境、不公平、戦争、貧困、無知などの害悪、そして、何十億もの住民の身体と精神の不健康も、逃れることができないものだ。また、理性のある人なら、人間の発明や活動によって絶え間なく生じる新しい害悪を見過ごすことはできない。なお、そこには古い害悪を治すための善意による行為で生じる害悪も含まれている。善良な物や人を破滅させることも、絶え間なく続いているように思われるし、実際にそうである。

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posted by 七左衛門 at 22:20 | 翻訳    

2009年06月07日

「技術の欲望」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "What Technology Wants" の日本語訳である。



技術の欲望  What Technology Wants

犬は外に出たがる。猫はひっかいてもらいたがる。鳥は仲間を求める。ミミズは湿気を求める。バクテリアは餌を求める。

顕微鏡で見るような単細胞生物の欲望は、あなたや私の欲望と比べれば小さいけれども、すべての生物は共通していくつかの基本的な欲望を持っている。生き延びるために、そして成長するために。原生動物の欲望は無意識的であり不明瞭であって、本能あるいは傾向のようなものである。バクテリアはその必要性を自覚していなくても、栄養物に向かって動いて行こうとする。バクテリアの細胞膜の内側に、私たちが知っているような意志が存在する空間はないが、それでも何かよくわからない方法によって、別の方向ではなくその方向に進むことを選択して、自分の欲求を満たしている。

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posted by 七左衛門 at 21:52 | 翻訳