2014年01月21日

「跳躍的な技術普及は起こらない」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Why Leapfrogging is Rare" の日本語訳である。



跳躍的な技術普及は起こらない Why Leapfrogging is Rare

2年前に(訳注:原文発表は2008年5月)、私は、跳躍的な技術普及に対する疑念を記事に書いた。新しい環境保護的なデジタル技術が、古くて汚れた技術を跳び越えて普及すれば良いと本当に思っていたのだが、その証拠を見つけられなかった。そこで、The Myth of Leapfrogging(跳躍的な技術普及という神話)を投稿したのだった。その要点は、跳躍的な技術普及の象徴的事例である携帯電話に関する話である。携帯電話は固定電話よりも急速に増加しつつあるが、固定電話自体も今なお増加しているという事実がある。固定電話は、携帯電話の後を追っている。携帯電話が生み出したトラフィック(通信量)を、固定電話が銅の電線に「焼き付けている」とも言える。携帯電話が先行するという意味では、携帯電話は固定電話を跳び越えて発展している。しかし、通常の意味で「跳躍」というと、多くの人が考えるのは、何かを全く行わずに「跳び越える」ことだが、ここでは、そうなっているわけではない。固定電話は消滅していない。

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posted by 七左衛門 at 22:07 | 翻訳