著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門
この文章は Kevin Kelly による "The Decisive Hour" の日本語訳である。
決定的時間 The Decisive Hour
私の経歴は、写真家として始まった。アジアで何年もかけて、スチル写真による「決定的瞬間」を追求していた。光、角度、視点、形、動きなど、あらゆるものが完全に揃う瞬間だ。私がシャッターボタンを押すとき、そのマイクロ秒の間に、すべてが揃っている。そして運が良ければ、露出や焦点も適正になっている(しかし、それは後でフィルムを現像するまでわからない)。
映画やビデオの制作にも少しだけ関わったことがある。カメラが違うし、撮影手法も違う。決定的瞬間のことは忘れて、連続的な流れを追求するのだ。スチルカメラを使っているとき、このまま動画を撮影できたら良いのに、と何度も思った。両方を同時にこなす方法はあるのだろうか?