訳 :堺屋七左衛門
この文章は Kevin Kelly による "People Want To Pay" の日本語訳である。
みんな払いたがっている People Want To Pay
たしかに、あらゆる物が無料になっていく。だが私の経験では、みんなはお金を払いたいと思っている。本当に思っている!大衆としての人々は、無料の物を手に入れようとする。お金を払ってまで触ろうとしなかった物でも、無料なら試してみる。概して大衆は最低の価格にいつも惹きつけられる。無料より安いものがあるだろうか?

でも、でも、自分の好きな作品やサービスの作者に対してお金を払うのに都合がよい手段があったとしたらどうか。支払いには、次のような意味がある。
1) つながるための方法。
2) 賛同のしるし。
3) 人気投票。
4) 作者への忠誠を示す。
5) 後援することは支払者にとって気分が良い。
人は物を買うが、私たちが本当に欲しいものは結びつきである。支払いは結びつきの基本的な形だ。非常に原始的だが、実際的な。
この支払いへの欲求について、いくつか注意しておこう。
支払いは、きわめて簡単で誰にでも操作でき、円滑でなければならない。障害となるものがあってはならない。支払いが容易であればあるほど、支払おうとする意思が強くなる。
価格は妥当でなければならない。妥当というのは、無料の同じような物との関係においてである!
支払いによる便益は、明白で、透明性が高くなければならない。創作のための創造力と意思伝達の作用が求められる。支払いの便益が明らかでなければ、支払いは困難である。無料に対抗する便益については、「無料より優れたもの」("Better Than Free") という私の記事での提言を参照されたい。
支払い欲求が存在するという証拠はあるだろうか?私は最近、英国音楽著作権協会 (British Music Rights) (すなわち音楽家と音楽出版社の代表である) が実施した、英国での調査を見つけた。その調査はファンがお金を払いたがっていることを示している。この調査によれば、回答者たちが望んでいると思われるのは、DRM(デジタル著作権管理)のない無制限のダウンロードサービスであり、月額料金を払ってそれを合法的に利用できることである -- そのような支払い方法は今存在しないが。
人はそれが簡単であり、公正であり、有益であれば、喜んでお金を払うものである。
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