2011年02月27日

「マクルーハンの予言」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Prophesies of McLuhan" の日本語訳である。



マクルーハンの予言  Prophesies of McLuhan

「製品はサービスになりつつある。」 (1966)

「未来の未来は現在である。」 (1968)

「地球村は詮索好きでお節介な人たちの大規模なものだ。」 (1968)

伝説的なマーシャル・マクルーハンの簡潔な名言を三つだけ挙げてみた。マクルーハンは変わった人だ。謎めいた神託のような言い回しをして、それはしばしば意味不明である。実に予言的な数多くの名言で知られているが、マクルーハンの発言の多くは、ばかげたものだったり陳腐だったりする。初期のテレビ出演場面がここにいくつか収録されているので、実際にマクルーハンを見て自分で判断していただきたい。

あの時代を思い出してみよう。1966年から1968年頃には、普通の人は米国内で長距離電話をすることはなかったし、おそらく誰も海外への通話などしなかった。自分の住んでいる州から外へ旅することはあまりなかった。テレビのニュースを見ても、米国以外の世界はほとんど出てこなかった。ベトナムは別として。活動している「地球村」は存在しなかった。もしあるとすれば、将来出現すべきものとして目に触れるだけだった。

約50年後の今日でも、製品がサービスになりつつあるという見解は、多くの人にとって過激で驚くべき考え方である。要するに、物がサービスになるというのは、今まで購入していたいろいろな物、たとえば音楽や映画などが、ネットなどの契約で入手できるということだ。これは今ではきわめて当然のことだが、50年前にはまったく不明だった。蓄音機に現金を払っていた時代である(クレジットカードではない!)。

そして「未来の未来は現在である」というのは、時代の先を行きすぎていて、今頃やっと意味がわかるようになった。科学小説(SF)の天才、ウィリアム・ギブスンが自分の新しい作品について講演するのを聞いてみよう。未来の現在という設定の話である。未来はとても不思議なもので、未知の世界を見たければ、時間を5分進めるだけでよい。

このような名言はマクルーハンの真骨頂だ。しかし、そこに到達することができたのは、あえて、ばかげた発言も数多くしてきたからである。マクルーハンは、自由に遠慮なく複合的な発想をする人であり、半信半疑なものを混ぜ合わせるという性癖から、天才的なひらめきを生み出していた。そして、あからさまなカトリック神秘主義者でもあった。

とにかくマクルーハンの話を聞いてみてほしい。





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posted by 七左衛門 at 21:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 翻訳    
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