2008年09月30日

「注目が流れるところにお金はついて来る」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Where Attention Flows, Money Follows" の日本語訳である。



注目が流れるところにお金はついて来る  Where Attention Flows, Money Follows


新しい経済の新しい法則を要約すると、こういうことになる。

注目が流れているところに、お金はついて来るものだ。

注目以外のものはほとんど何でも、コモディティー化する可能性がある。ぜいたく品がぜいたくであるのは一時的なことでしかない。それはすぐに偽造され、コモディティー化する。高級ブランドは、過剰なほどの注目を獲得しているから高級であるにすぎない。

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posted by 七左衛門 at 22:02 | 翻訳    

2008年09月25日

「見苦しいものを探す」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Looking For Ugly" の日本語訳である。



見苦しいものを探す  Looking For Ugly

非常に複雑な技術システムでは、故障を防止することはなかなか難しい。システムが複雑であればあるほど、故障のパターンも複雑になる。しかし、ほとんど無故障の状態にあるシステムでは、不思議なことが起きている。大きな故障が防止されていると、将来の大きな故障を予測することが難しくなるのだ。なぜならば、ほとんど故障が起きないから!このような極めて重要なシステムでは、故障がほとんど起きないので、大きな故障の発生パターンは不明なのかもしれない。

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posted by 七左衛門 at 22:28 | 翻訳    

2008年09月18日

「何でも計ることが安すぎる」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Everything, Too Cheaply Metered" の日本語訳である。



何でも計ることが安すぎる  Everything, Too Cheaply Metered

経済的な豊かさのもたらす結果について調査していると、米国原子力委員会の委員長ルイス・ストロースが1954年に述べた「いつの日か、原子力発電は安すぎて計れなくなるだろう。」という悪評高い言葉をクリス・アンダーソンが再び取り上げていた。

有名な文句の常として、その裏には秘められた物語がある。「安すぎて計れない」という言葉の背景や歴史をアンダーソンが調べたところ、「安すぎて計れない」というのは、電気が無料になるだろうと言っているのではないことに気がついた。計量するための費用が電気の原価を上回るというだけなのだ。でも、ストロースが正しいことを言っていたとしたら?少なくとも電気について。もし電気が無料だったら?

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posted by 七左衛門 at 21:50 | 翻訳    

2008年09月13日

「知性の可能性を示す地形図」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "The Landscape of Possible Intelligences" の日本語訳である。



知性の可能性を示す地形図  The Landscape of Possible Intelligences

"A Taxonomy of Minds"(知性の分類学)という記事で、私は人類よりも優れた知性について、そのありうる種類を考察した。人間より優れた知性として、宇宙人ETに出会うこともありうる。あるいは私たち人間が人工的な知能を作るかもしれない。人間が自分で新しい知性を作るという場合の基本的な前提として、人間は新しい別の知性を作るのに十分な知性を持っているという仮定がある。人間に知性があると言っても、それだけの理由で人間が自分で知性を作ることができるほど賢いとは限らない。人工知能ができるかどうか(あるいは、いつできるか)は、結局のところ、私たちが自分より賢いものを作れるほど賢いかどうかによって決まる。蟻はこのレベルに達していないと思われる。さらにチンパンジーみたいに賢い動物でも、自分より賢い知性を作れるほど頭が良いわけではないので、その境界線に達していないと思われる。私たちは知性がブートストラップする(自分で自分を引き上げる)ための境界を知らないし、また私たちがその基準でどのレベルにあるかも知らない。

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posted by 七左衛門 at 21:32 | 翻訳    

2008年09月08日

「文明は生物である」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Civilizations Are Creatures" の日本語訳である。



文明は生物である  Civilizations Are Creatures

文明は生物である。それはとても長寿であり、地球上に非常に広く分布している生命体である。文明はエネルギーを消費し、アイデアを生産する存在である。このアイデアは都市、制度、法律、芸術、書籍、および記憶として実現される。文明は持続的に発展しながら何千年も生き残るかもしれない。肉体を持った動物と比べても、さらには人間の精神という湿組織と比べても、文明は地球上で最も変化の速い生物である。

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posted by 七左衛門 at 21:59 | 翻訳    

2008年08月29日

「技術はあなたの『映画』のために」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Technology, The Movie" の日本語訳である。



技術はあなたの「映画」のために  Technology, The Movie

人はみなスターとして生まれてきた。人は誰でも隠れた才能、新しい洞察力、潜在的な経験などをその人独自の形で発達させる。同じDNAをもつ双子でも、人生の可能性は同じではない。

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posted by 七左衛門 at 23:14 | 翻訳    

2008年08月23日

「みんなが海賊版に走る理由」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Why People Pirate Stuff" の日本語訳である。



みんなが海賊版に走る理由  Why People Pirate Stuff

無料の世界では、規範意識がむしり取られている。そう、近ごろでは多くの製品やサービスが意図的に無料で提供されているのだが、かなりの消費者は無料でない物についても、違法な無料版に引き寄せられている。値段の張るデジタル製品の無料版を非合法のファイル交換サイトで見つけるのは難しくない。あるいは断片的にはユーチューブ(YouTube) のような正規の集積サイトにもある。高価な商用ソフトウェアのように値段の高い品物の大部分は、事実上無料で手に入れることができる。しかし非常に安い物でも同様に、無料の海賊版が横行している。

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posted by 七左衛門 at 00:59 | 翻訳    

2008年08月13日

「計算機にできることが一つ増えた」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Another One for the Machine" の日本語訳である。



計算機にできることが一つ増えた  Another One for the Machine

計算機はチェスやチェッカーを習得して、人間の最強選手も打ち負かすようになった。今では安い電子ゲームやオンラインの対局でも、たいていの普通の人間には勝つことができる。しかし囲碁という古来のゲームは技術者たちの努力に長い間対抗してきた。人間の囲碁の名手に勝つ囲碁コンピュータを作るという努力に。一部の囲碁ファンたちは、計算機が人間の名手を打ち負かすことは絶対に不可能だと信じていた。着手可能な手の組合せの数は、囲碁ではチェスに比べて断然多い。またチェスで使われる力ずくでしらみつぶしの探索よりも、囲碁ではパターン認識がずっと重要視されている。囲碁に勝つというのは、人間だけに達成可能なことだと思われていた。

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posted by 七左衛門 at 10:50 | 翻訳    

2008年08月10日

「1兆時間」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "A Trillion Hours" の日本語訳である。



1兆時間  A Trillion Hours

ウェブはずいぶん大きい。グーグルの研究者は自分たちがどれだけのページをインデックスに登録しているか言ってくれないが、最近、グーグルは同社のウェブ調査でウェブには1兆を超える独立したURLが存在することがわかったと発表した。何を独立したページとして数えるのか判断が難しい。なぜならばグーグルも説明しているとおり、たとえばウェブカレンダーのようなサイトでは、「次の日」のリンクをクリックすると無限個のページを生成することができるからだ。いちばん最初に公開されたウェブページは、1991年8月に作られた。だから私たちは(集団としての人間は)6200日の間に1兆ページを作ったことになる。

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posted by 七左衛門 at 09:25 | 翻訳    

2008年08月02日

「みんな払いたがっている」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "People Want To Pay" の日本語訳である。



みんな払いたがっている  People Want To Pay

たしかに、あらゆる物が無料になっていく。だが私の経験では、みんなはお金を払いたいと思っている。本当に思っている!大衆としての人々は、無料の物を手に入れようとする。お金を払ってまで触ろうとしなかった物でも、無料なら試してみる。概して大衆は最低の価格にいつも惹きつけられる。無料より安いものがあるだろうか?

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posted by 七左衛門 at 17:24 | 翻訳    

2008年07月31日

「豊かさは善」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Affluence is Good" の日本語訳である。



豊かさは善  Affluence is Good

人間は最低水準の生活ができるようになると、より多くのお金がより多くの幸福をもたらすわけではないというのが、過去30年にわたって一般的な考え方であった。ある一定限度以下の収入での生活では、より多くのお金があるほうが意味があるけれども、それ以上のレベルでは、お金では幸福を買えない。これが、今では古典となっているリチャード・イースタリンによる1974年の研究成果であった。

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posted by 七左衛門 at 22:36 | 翻訳    

2008年07月25日

「愛のロングテールというしっぽを振る」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Wagging the Long Tail of Love" の日本語訳である。



愛のロングテールというしっぽを振る  Wagging the Long Tail of Love

セス・ゴディンは、クリス・アンダーソンの「ロングテール」という考え方について研究している。よく誤解されるこの概念に対して、いつものようにセスは明快に解説する。彼は最近、ロングテールには三つの「利益のポケット」があるという分析を投稿した。そこにはこんな図が示されている。

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posted by 七左衛門 at 20:48 | 翻訳    

2008年07月22日

「ネオ・アーミッシュという撤退者」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Neo-Amish Drop Outs" の日本語訳である。



ネオ・アーミッシュという撤退者  Neo-Amish Drop Outs

伝説的な計算機科学者ドナルド・クヌースは、以前は電子メールやブログを利用していたが、今はやめてしまった。(たぶんPDAも、そしてブラックベリーのようなスマートフォンも使わない。)ウェブページはまだ持っていて、電子メールを使わない理由をそこで明言している。彼は「物事の最先端にいるよりも、最後尾にいるようにしたい。」と私に言っていた。それで即時の通信から撤退したというわけだ。

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posted by 七左衛門 at 13:20 | 翻訳    

2008年07月09日

「直線と指数関数の交点」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Where the Linear Crosses the Exponential" の日本語訳である。



直線と指数関数の交点  Where the Linear Crosses the Exponential

フリーマン・ダイソン(Freeman Dyson)は私が気に入っている大局観のある思想家だ。彼は自分の心と電卓の二つを持って世界に立ち向かっている。彼は疑わしい異説を検討することを楽しみ、そこから何か学ぶことができるかどうかを考えている。彼は普通とは違う立場をとってみて、もしそれが本当であるとしたらどうなるかを計算する。その結果の概略の数字が、私たちの知っている何かと一致するだろうか?

最近、ダイソンは地球温暖化という難問について、私の知る限り最も優れた分析を書いた。それはニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス(New York Review of Books)での書評という形を借りたものだ。ある現象の物理を計算することで新しい見方を引き出すという彼独特の能力を使って、この「書評」では三つの斬新な見解を示している。

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posted by 七左衛門 at 21:55 | 翻訳    

2008年07月02日

「マース=ガロー・ポイント」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "The Maes-Garreau Point" の日本語訳である。



マース=ガロー・ポイント  The Maes-Garreau Point

未来の出来事の予測は、現在の状況に大きく影響される。予測がたいてい間違っているのはそのせいである。現在の仮定を乗り越えるのは難しい。時間の経過とともにこの仮定は徐々に崩れて、ついには私たちを驚かせるようになる。みんなが「知って」いたように、人は無料で働いたりしないし、もし働いたとしても質の高い仕事をすることはない。だから、ボランティアの仕事によって信頼できる百科事典を作れるはずがないと一般に考えられていたが、私たちはウィキペディアを見てすっかり驚くことになってしまった。

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posted by 七左衛門 at 21:59 | 翻訳    

2008年06月22日

「ボトムアップだけでは不十分」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "The Bottom is Not Enough" の日本語訳である。



ボトムアップだけでは不十分  The Bottom is Not Enough

私は "Out of Control"(邦題:『「複雑系」を超えて−システムを永久進化させる9つの法則』)という本を書いた。それはボトムアップシステムという強大な力の到来を告げるものであった。ご存じの通り、賢い大衆、巣の精神(訳注:蜂の巣に見られるような集団としての知性)、ウェブの力、素人参加、分権的ウェブ、ネットワーク効果、共同作業などの話である。20年前にこの本は広い範囲にわたって注目すべき事例を網羅した。生物学、技術、文化などの世界では、分権的で統制のないシステムが達成可能である。20年後の今日でも、創発的なボトムアップシステムという潜在的可能性に私はまだ夢中になっている。

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posted by 七左衛門 at 22:59 | 翻訳    

2008年06月14日

「私たちはグーグルで賢くなるだろうか?」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Will We Let Google Make Us Smarter?" の日本語訳である。



私たちはグーグルで賢くなるだろうか? Will We Let Google Make Us Smarter?


『グーグルで人間はバカになるか?』

これはいつも挑発的なニック・カー (Nick Carr) が書いた今月のアトランティック (Atlantic) の記事の題名である。カーは自分で認めるとおり心配性である。新しい技術は人間をバカにしてしまうと心配する人は昔から大勢いるが、その長い行列に連なる人である。実際のところカーは、古代の心配性の人々がみんな間違っていたことを示す例をまとめるという良い仕事をしているのだが、自分自身の心配を本気で受け止めるのは困難なようだ。

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posted by 七左衛門 at 02:06 | 翻訳    

2008年06月05日

「つながるための技術」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Technologies That Connect" の日本語訳である。



つながるための技術  Technologies That Connect

ロングナウ財団(Long Now foundation)では、毎月「長期的思考についてのセミナー」を主催している。私はその共催者みたいなもので、聴衆から講演者への質問を交通整理する役である。今月の講演者はイクバル・カディーア(Iqbal Quadir)だった。この人は以前はハーバード大学にいたが、今はMIT(マサチューセッツ工科大学)にいる。私は10年ほど前にイクバルと知り合いになってから、携帯電話を使って世界を変えるという彼の冒険に注目している。今回のイクバルの講演は、技術がいかにして貧困を緩和するかというテーマだった。ここにその講演の概要を紹介する。

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posted by 七左衛門 at 20:09 | 翻訳    

2008年05月25日

「産業の時代を自分で興す」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Bootstrapping the Industrial Age" の日本語訳である。



産業の時代を自分で興す  Bootstrapping the Industrial Age

技術者が好きなファンタジーゲームの一つは、世の中に不可欠な技術を自分で何もないところから発明するとしたらどうなるか、想像してみることだろう。どこかの孤島で立ち往生するか、あるいはハルマゲドンの後に取り残されるかして、自分でナイフを作る必要があるとしたら、そのほかに本も、ひょっとして無線機も作るとしたら、鉄を鍛造し、紙を作り、または電気を起こすのに何を用意すれば良いだろうか?

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posted by 七左衛門 at 17:54 | 翻訳    

2008年05月18日

「まだ動いていないもの」

著者:ケヴィン・ケリー ( Kevin Kelly )
訳 :堺屋七左衛門


この文章は Kevin Kelly による "Everything That Doesn’t Work Yet" の日本語訳である。



まだ動いていないもの  Everything That Doesn't Work Yet

アラン・ケイは優秀で博識な人で、アタリ、ゼロックス、アップル、ディズニーなどで働いていたが、私が今まで聞いた中でも優れた「テクノロジー(技術)」の定義を述べている。ケイが言うところでは、「テクノロジーとは、あなたが生まれた以降に発明されたものである。」

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posted by 七左衛門 at 00:08 | 翻訳